我々の解決策

我々の解決策

検診特化型ディスポーザブル内視鏡(胃カメラ)

世界初、検診のためだけに開発された内視鏡システム

日本の胃がん検診は、1970年代から50年以上、バリウム検査が主流でした。しかし、現在は徐々に内視鏡検査による検診へと移行が始まっています。一方、既存の内視鏡は精密検査用に高機能化しており、1本数百万円という価格と複雑な操作性から、大規模検診への転用は困難となっています。

創業者代表の中島清一は、医療機器開発の専門家として、以前からこの構造的な問題に気づいていました。精密検査と検診では、求められる機能が根本的に異なるのです。検診は基本的に健康な人が対象であり、疑わしい病変のスクリーニングができれば充分なのです。そこで私たちは、検診に必要な機能だけをゼロから積み上げる「ゼロベース開発」により、世界初の検診特化型ディスポーザブル内視鏡(胃カメラ)の開発に着手しました。

4つの革新が実現する、新たな検診システム

世界最細径・苦痛の最小化

経鼻挿入に最適化された世界最細径を実現。鼻から無理なく挿入できる設計により、口からの内視鏡で生じる嘔吐反射を大幅に軽減します。操作も上下のみのシンプル設計とし、検診に必要な観察を効率的に行えます。

完全使い捨て・ダウンタイムゼロ

最大の革新は、完全使い捨てシステムです。現在の胃カメラ検診における個人負担額の範囲内に収まる価格設定を実現し、受診者の経済的負担を増やすことなく導入可能です。従来必要だった洗浄・消毒・乾燥の工程が不要となり、連続して何人でも検査可能に。これにより、検診センターの処理能力が飛躍的に向上し、同時に大幅なコスト削減を実現します。

さらに、大型の内視鏡タワーではなくタブレット端末に接続するシステムを採用。LED光源を先端に配置することで光ファイバーや高価な光源も不要とし、設備投資の大幅な軽減を実現しました。

滅菌済み・個包装

現行内視鏡で行われている「消毒」よりも品位の高い「滅菌」済み、個包装での提供により、感染のリスクを事実上ゼロにします。

現行内視鏡は、使用後に洗浄・消毒・乾燥を行い、繰り返し使用するリユース(再利用)方式です。この工程を経る以上、その精度や運用によって感染リスクが左右されます。ディスポーザブル内視鏡(胃カメラ)は、製造段階で滅菌処理を施して、1本ずつ個包装された状態で提供されます。そのため滅菌状態が保証されており、使用後はそのまま廃棄。受診者ごとに新品の内視鏡を使用することで、感染リスクを限りなくゼロに近づけます。

AI診断支援・精度と効率を両立

ハードウェアのシンプル化とは対照的に、ソフトウェアには最先端技術を搭載。検診に特化したAI診断システムが、疑わしい病変を自動検出し、報告書も自動作成します。現行内視鏡ほどの高解像度でなくとも、検診に必要な精度は十分確保できることを実証しています。

完全使い捨てという特性を活かし、製造段階で各内視鏡に個別のIDを付与。1本の内視鏡を1人の受診者専用とすることで、検査データと受診者の情報が1対1で完全に対応します。これにより、検査履歴の管理が格段に正確となり、受診者や二次施設、自治体への報告も自動化され、将来的にはビッグデータを活用した疫学研究への貢献も期待されます。

変革される日本の胃がん検診

医療機関にとって

大規模な初期投資なしで内視鏡検診を導入可能となります。中小クリニックでも参入できるようになり、検診実施施設の裾野が大きく広がります。ダウンタイムがないため、1日の検査可能人数も飛躍的に増加します。洗浄・消毒の手間、コストも削減できます。

受診者にとって

世界最細の苦痛の少ない設計により、受診者の検診に対する心理的ハードルが大幅に下がります。自己負担額も従来以下に抑えられ、被爆のない、感染リスクのない、より安全な検診の普及が期待されます。

社会全体として

我々の内視鏡によってがん検診の受診率(現在40%程度)が向上し、数千万人の巨大市場が出現します。より多くの早期発見、早期治療が可能となり、医療費の削減にもつながります。

グローバル展開への道筋

日本での実証を経て、韓国、シンガポール、タイや中国等、アジア市場への展開を計画しています。内視鏡が普及していない新興国では、First Endoscopyとして普及する可能性があります。完全滅菌なので、医療現場では術中での使用など、様々な展開も期待されます。

現在、提携メーカーで第1試作を製造中。改良を経て、2029~2030年前半の市場投入をめざしています。薬機法承認に向けた準備も進行中です。

私たちは、この製品を通じて「臓器の内側(エンドルミナル)から解決策(ソリューション)を生み出す」という社名の理念を実現します。日本の胃がん検診を変革し、その成功モデルを世界へ。それが、エンドルミナル・ソリューションズ株式会社の挑戦です。